はじめに
今回は、昨シーズン(2022)の浦和レッズの戦績(数字)から‥
2023年、優勝争いをするためにはどんな数字が必要になるのかを考えてみます。
2022シーズンの浦和レッズ
昨シーズンのリーグ前半戦、浦和レッズは、前年から大幅に選手を入れ替えた影響や‥
リーグ開始直前の選手のコロナ感染の影響などにより、波に乗れず、勝ちきれない試合などが続きました。
5月には、J1リーグの最多タイ記録である7試合連続引き分けを記録したり。
夏のACLの熱戦を経てチームはピークを迎えたものの、疲れもあってか、そのピークの時期は長くは続かず、戦績は下降。
秋以降、選手を入れ替えたり戦い方を模索したものの、最後まで答えが見つけられず‥
上位争いに食い込めずにシーズン終了というような流れでした。
2022シーズンJ1リーグ順位・総得点数・総失点数
そんな浦和レッズの2022シーズンのリーグ戦績を、数字で見てみます。
①リーグ順位・勝点から考える
浦和レッズ:9位、10勝15分9敗、勝点45。
リーグ順位は‥
優勝:横浜FM・勝点68
2位:川崎フロンターレ・勝点66
3位:サンフレッチェ広島・勝点55
優勝した横浜FMとは、勝点差23もの差がありました。
②何試合、引き分け・負け試合を勝ち試合に変える必要があるか
昨シーズン、リーグ年間引き分け数の多い順でチームを並べると、以下のとおりでした。
1位:浦和レッズとサガン鳥栖:15引き分け
3位:名古屋グランパスと鹿島アントラーズ:13引き分け
5位:セレッソ大阪ほか計5チーム:12引き分け
※優勝の横浜FM:8引き分け
2位の川崎フロンターレ:6引き分け
昨シーズン浦和レッズは、前半戦で引き分け数が多かった割には‥
年間トータルで見ると他チームより突出して引き分け数が多かったわけではありませんでした。
優勝争いに絡める引分試合数6〜8試合を目指した場合‥
昨年の引き分け試合数15試合のうち、半分程度を勝ち試合にする必要がありました。
仮に8試合を引き分け→勝ち試合にする場合、勝点は+16になります。
(後述しますが、そのためには、得点数が試合数と同じく+8点必要)
1位との勝ち点差は23なので、23ー16=7、勝点7。
あと3試合程度、負け試合を勝ち試合にする必要がありました。
➡️2023シーズンは‥
①引き分け試合8試合を勝ち試合にする(得点数+8点)
②負け試合3試合を勝ち試合にすること
などが必要
③リーグ年間総得点数から考える
昨シーズンのチーム別総得点数は、以下のとおりでした。
1位:横浜FM:70点
2位:川崎フロンターレ:65点
3位:サンフレッチェ広島:52点
4位:浦和レッズ:48点
5位:鹿島アントラーズ:47点
やはり優勝争いをしていた横浜FM、川崎フロンターレは、得点力が高いですね。
浦和レッズは、総得点数では4位につけているものの‥
上位との得点差が約20点前後あるので、今シーズンは、ここの差をどう詰めていくのかというところが大きな課題です。
最低でも必要な得点数を計算してみると‥
①引き分け試合8試合で、あと1点ずつ取れていたら勝ち試合
→8試合×1点=得点数+8点
②負け試合3試合で、あと2点以上取れたら勝てたかも‥(点差によってはそれ以上が必要でしたが)
→3試合×2点以上=得点数6点+α
①と②の合計、得点数+14点+αが必要
➡️2023シーズンは、少なくとも+14点以上、得点数を伸ばすことが必要
④リーグ年間総失点数から考える
昨シーズンのチーム別総失点数は、少ない方から、以下のとおりでした。
1位:横浜FMと名古屋グランパス:35点
3位:京都パープルサンガとアビスパ福岡:38点
5位:浦和レッズと湘南ベルマーレ:39点
※8位:サンフレッチェ広島とヴィッセル神戸:41点
※10位:川崎フロンターレと鹿島アントラーズ:42点
昨シーズン、浦和レッズは守備は固かったと言われていましたが、失点数を見てもその傾向は見て取れます。
昨シーズンの失点数39点は、優勝争いに絡めそうな数字であったと思います。
➡️2023シーズンの守備については、昨シーズンからほぼ現状維持でOK
2023シーズンの数字上の目標
ただしご承知のとおり、サッカーは守備と攻撃は表裏一体。
攻めようと前に出れば、その分後ろに隙ができて失点したりするので‥
そこをどうしていくのかというのがとても難しく、またとても面白いところです。
選手の個の能力に依存する部分もあったり、戦術に依存する部分もあれば‥
チームとしての試合運びや、チームとして勝ち続けても慢心しない、負けても引きずらないメンタルも必要だったり‥
①移籍した選手の得点数
リーグ7得点のユンカー選手、リーグ2得点だったものの攻撃の起点になっていた江坂選手‥
そしてリーグ4得点の松尾選手が、残念ながら移籍してしまいました。
3人の得点数を見てみると、単純計算では、ユンカー選手△7得点・江坂選手△2得点・松尾選手△4得点=計△13得点。
2023シーズンは選手移籍により、得点数が△13点の減となります。
②リーグ優勝争いに必要な得点数
前述のとおり、昨シーズンのリーグ優勝には、得点数が少なくとも+14点は必要でした。
そこに、移籍してしまった選手の得点数△13点も加えると‥
今シーズンは、新加入選手+既存選手で、昨シーズンの得点数より+27点も多く取る必要があります。
しかも、守備の強度は落とさずに。
新加入選手の中では、昨シーズンは怪我でシーズンの半分程度しか稼働できなかったにもかかわらず5得点した興梠選手が戻ってきてくれたり。
既存選手の中では、ほぼ稼働できなかったリンセン選手が、上手くハマれば得点を量産してくれそうな予感もありますが‥
数字上で改めて考えてみると
既存選手の昨シーズンの得点数(48ー13=35点)の他に、既存選手と新加入選手で+27点多く取る必要がある‥
優勝争いに絡むには、なかなか高いハードルだなと感じます。
昨シーズン、なかなかチームにフィットしきれなかったシャルク選手や‥
ドリブルで存在感を示していた大久保選手などを含め‥
新加入選手や既存選手が持てる力を存分に発揮してくれることを期待しています。
➡️2023シーズンは、
①守備の強度を落とさず
②攻撃力(得点力)を高め、得点数を大きく伸ばす必要がある(+27得点)
終わりに
今シーズン、得点力アップという高いハードルを乗り越えるためには、既存選手の個々の奮起はもちろんのこと‥
新加入選手の個の力+横浜FMや川崎フロンターレのように、チームとして得点の型(再現性)を構築することが必要です。
守備力は維持したまま攻撃の再現性を構築するという、難しい課題をクリアして得点力をアップし‥
2023シーズンは何とか優勝争いに絡んで欲しいところです。
2023シーズン、優勝争いに食い込んでいくために‥
スコルジャ新監督がどのようにチームを作り、導き、リーグ戦を戦っていくのか、今からとても楽しみです。